ともやのブログ

何となく気の向くままに

グローバルスタンダードの話

最近ニュースで、

「9月入学」

という言葉を目にします。

 

9月入学により学習の後れを取り戻すことができると。さらには、グローバルスタンダードになることで、グローバル教育が加速すると、、、

 

本当でしょうか?「学習の後れを取り戻す」はともかく、グローバル教育が加速するのでしょうか?

 

私は、教育がグローバルに追いつくから、9月入学を推し進めるという考え方は、だいぶずれてると思います。

日本人目線、外国人目線で根拠を話します。

 

--- 日本人のグローバル人材 ---

 まず、時期を海外で主流な9月入学に合わせることで、日本人もグローバルに学ぶ機会が増えるということ。

 確かに、留学がしやすくなるかと言われれば、答えは "Yes” でしょう。

ただ、それだけで留学をする人が増えるでしょうか。また、留学をする人が増えたところで、それが必ずしも教育として良い方向に向かうんでしょうか?

 

 

そもそも、日本人が海外から遅れているのは、英語教育ではないかと思います。高校生の英語力調査(https://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/gaikokugo/__icsFiles/afieldfile/2018/04/06/1403470_03_1.pdf)では、文科省が目標とする英語力に「聞く」「話す」「読む」「書く」すべての項目で下回っているそうです。

自分の周りの実感でも、一定レベルの大学に通っている人でも英語がぺらぺらの人は少数であると感じます。

 

一方、海外(ヨーロッパやアジアの先進国)では多くの人が英語でコミュニケーションが可能なレベルにあります。

つまり、グローバル人材の育成をしたいのであれば、まず見直すべきは日本の英語教育のありかたではないかと思います。

 

高校・大学で留学しやすくなるならそこで英語勉強できるじゃん!

とも思えるかもしれません。海外で語学を学ぶことは確かにいいことだと思います。ただ、それで一年程度の期間を費やすと、語学以外の勉強には必然的に後れが出るでしょう。

つまり、今の教育を改善しないまま時期だけずらして語学留学者が増えれば、語学以外の教育として、語学教育が定着した先進国から完全に後れを取る結果になると考えられます。

 

グローバルに後れを取らない教育を目指すのであれば、まず基本の語学力に力を注ぎ、それを持って世界で様々な技術・知識を学ぶことが最も重要だと思います。

そして、これを可能にするような短期の交換留学の制度は、現在でも多くの大学で取り入れられているので、9月入学どうこうの話ではないでしょう。

 

--- 外国人が日本で学ぶ環境 ---

では、外国人の立場から見た日本への留学機会はどうでしょう?

これも、"時期で考えれば"留学しやすくなると思います。

 

ただ、今の日本の社会では外国人も日本語をしゃべれないと生活は難しいのが現状です。首都の東京でも、このように感じている外国人は多くいます。さらに、日本の教育機関で英語で受けられる授業は限定的なようにも感じます。(私の知る限りでは)

つまり、日本語を学びたい外国人を除いて、何かを”日本で”学ぶためにわざわざ日本語を勉強しないといけないのです。

これがグローバルな教育を可能にすることを目指す国が行う教育の在り方なのでしょうか?

グローバルな教育を高めるためには、優秀は外国人が日本で学ぶことにメリットを感じるような教育を目指し、相互効果として日本人学生と共に高め合うことが必要なのではないでしょうか?

 

 

時期をグローバルスタンダードに合わせることで、グローバル人材を育成することができる、という考え方。

だいぶずれていませんか?

 

まあ、こういうことを言っているのが文科省ではないらしいので、そこは安心です。

 

専門家ではないけど権力のある人の意見というのは恐ろしいですね。